どんな勉強よりも絶対必要!自分の考えを「伝える力」の授業を読んでみた

意見は「正しいか否か」ではなく、「説得力があるかどうか」で判断するもの。

説得力のある意見とは、きちんとした根拠のある意見のことなんだとか。

世界のエリートが学んできた自分の考えを「伝える力」の授業(狩野みき著、日本実業出版社)では、慶應義塾大学聖心女子大学、ビジネス・ブレークスルー大学講師で、自分の意見をきちんと持ち、それを伝え、議論することで建設的な意見を堂々と言える方法を紹介した書籍。意見を伝え、議論をする達人になるためのテクニックが記されています。
「正しいか否か」ではなく、「説得力があるかどうか」で判断するものです。そして、説得力のある意見とは、きちんとした根拠のある意見のことです。 (18ページより)
例をあげ著者が話しているのは、「小学校での英語必修化はいいことだ」という発言も、「英語は、小学校のうちに少しでも慣れ親しんで置いたほうがいいから」といったきちんとした根拠があってはじめて、「説得力のある意見」と呼べると著者。多くの人の意見だとか専門家だとかの意見が正しいと判断することはナンセンスなんだとか。日本の社会ではよくありそうですね。「誰が」その意見を言ったかどうかではなく、その意見で「何が」言われているかと著者。上司に反対されたからといってあなたの意見が間違っているということはまずあり得ません。 たとえば、同僚とランチをする場所を決めるのに、あなたは「うどんがいい」と言い、同僚は「トンカツがいい」といったとします。あなたには、「今日はあっさりしたものが食べたいから」という根拠があり、対する同僚は「午後はプレゼンだ。縁起かつぎにトンカツだ」と思っているかもしれません。(19ページ)
「意見を伝える行為自体は、特別なことではない」 (19ページ)

 理解する→相手目線で伝える

自分がこれから誰かに何かを伝えようとする時に「何か」をきちんと理解することから相手に伝えるという流れになります。
自分が本当に理解できているかどうかをチェックするためには、「説明しようと思っている『何か』を、5歳児相手に説明できるか」を考えてみるといいと思います。(39ページより)
小さな子どもを相手にするとごまかしは効かないんだとか。難しい言葉を使って「わかったつもり」を演じることもでできません。やさしい言葉できちんと説明できない部分が「理解していない部分」だというわけです。(41ページより)

 理解度チェック

  • 5歳児に説明するつもりで話してみる→簡単な言葉で説明できなかったら、理解が浅い
  • カタカナ語を掘り下げる→自分の言葉に置き換えられなければ、理解が浅い
  • 英語に訳してみる→英語を訳せるような「簡単な日本語」に直してみる、直せなければ理解が浅い
  • 5W1Hについてツッコミを入れてみる→「いつ?」「理由は何?」など

 何が言いたいのかわからない人の話し方

日本国内で日本人とだけ仕事をしていればいい、という時代は終わったのです。① 私自身、諸外国の人たちと仕事をする機会が増えました。でも自分の考えをきちんと伝えられず、苦労しています。② グローバル時代に多様な価値観を持った人たちと渡り合ってくためには、お互いの考えをきちんと伝え合うことが大切です。③ これからは、伝える力を高めていかなければなりません。④
①急に何を言いはじめるのだろう? 急に始めるので相手には何を言い始めたのかが理解出来ていません。 ②だからなんだろう? 諸外国の人たちと仕事をする機会が増えたことなのか、自分の考えをきちんと伝えられていなくて困った時のエピソードを話なのか、そもそも最初の段階でどのような話かわからないのでここですでに相手の理解力に依存してしまってますね。 ③まあ、そうだけど… ここで少し納得します。 ④え、そんな話だったの? 伝え合うことが大切なことに少し理解をしたものの、伝える力を高める話だったのかとようやくここで理解します。 このような流れで話す人は「この話は、どこに行き着くんだ?」と相手にストレスを与え理解力を鈍らせてしまうのだとか。
自分の意見をきちんと伝えるためには、ストレスを与えてはいけないのです。(72ページより)

 伝わる話し方

【結論】 これからは、伝える力を高めていかなければなりません。 【根拠】 グローバル時代に多様な価値観を持った人たちと渡り合っていくためには、お互いの考えをきちんと伝え合うことが大切です。  

 わかりやすく意見を伝える9つのコツ

  1. とにかく結論は最初に言う
  2. 相手に合った話し方で話す
  3. 話の全体の流れを見せる、これから何を話すのか予告する
  4. 大事な箇所は繰り返す
  5. 断定的な口調は避ける
  6. あくまでも自分の一意見であることをアピールする
  7. 手を効果的に使う
  8. 相手の目を見よう
  9. 伝えるための「良い声」を意識する
では「もしも相手が最後まで話を聞けなかったとしたら、何を優先的に聞いておいてもらいたいか」と自問するといいのだとか。欧米では、普段から結論→根拠で話しているので簡単にこなしているようですが日本語の文法が根拠→結論といった後回しなので訓練が必要になると思います。 84ページに、結論→根拠の言えるようになる訓練も掲載されています。実際の職場などで訓練すると分かりやすく意見の言い合える職場になるかもしれませんね。

 議論をしなやかにこなす15のルール

  1. この世に「間違った意見」などない
  2. 相手は審査員ではない
  3. 聞いているほうも目を見よう
  4. 人の話は最後まで聞こう
  5. 「理解できているか?」と自分の理解度をチェックしながら聞く
  6. 「まず、受け止める→自分の主張に移る」が鉄則
  7. 他人の良い意見は潔く認めよう
  8. 質問を質問で返さない、質問には真正面から答える
  9. 「反論=人格否定」ではない
  10. NOは相手からの質問だと思おう
  11. 痛いところをつかれても、まずは、受け止めて確認
  12. 「私は別意見なんです」は最強フレーズ
  13. イチャモンや重箱の隅をつつくような発言が出ても、相手のペースにのまれない
  14. 知ったかぶりをしない
  15. 話がかみ合わないときは「暗黙の前提」を探してみよう

 まとめ

かなり具体的に書かれています。ですのでここで記載されたないようを実際に職場など議論などの言い合う場で訓練することができればかなりお互いの意見の言い合える場所になるかもしれません。 また、僕が立ちあげた「ええやん姫路himeji.link では情報配信しているので発信する上では うまく相手に伝えるという意味でも今回のご紹介させていただいた書籍はかなり実践に活かせるのではないかとおもいました。 (渡邉貴之)